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zoom RSS カンピオーネ! 2巻

<<   作成日時 : 2010/09/03 09:24   >>

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カンピオーネ!〈2〉 (集英社スーパーダッシュ文庫 た 9-2)
集英社
丈月 城

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はい、護堂さん!どこ ...
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「静花さん、それとおじいさまに、私から事情をご説明させていただきます。とても信用しがたい、虚偽に満ちた言い訳に聞こえるかもしれませんが、エリカさんと草薙さんは男女のおつきあいをされているのではございません」
「この間、草薙さんは私に対して宣誓してくれました。――自分はエリカさんとは決してつきあってはいない。この誓約が偽りだったとしたら、殺されても文句は言わない、と。私は、あのときの草薙さんの言葉に嘘はなかったと信じています。いえ、信じたいのです」
「たしかに、おふたりの関係はひどく不健全な、いやらしいものに思えます。ですが、エリカさんのはしたない誘いにたぶらかされながらも、草薙さんはギリギリの一線で踏みとどまっているとおっしゃるのです」
「この人は常識家みたいなことを普段さんざん言うくせに、いざとなると無茶ばかりしますし、周りの迷惑も考えなくなります。本当に仕方のない、でも、嘘は言わない人です。約束もできる限り守ろうとしてくださいます。結果的に守れていないときが多いですけど」
「エリカさんの慎みに欠ける求愛を拒否するなら、草薙さんはもっと毅然とした態度で接するべきです。毎朝起しにいったりするのはどう考えても甘やかしすぎですし、しょっちゅう体をくっつけ合って、正直見るに堪えません。とても合格点をあげられるレベルではありませんが、ギリギリ身の潔白を認めてあげてもいいとは思います。・・・・不本意ではありますが」
「どうでしょう?草薙さんとエリカさんは、つきあいされているわけではないと、ご理解いただけたでしょうか?」


「はい。このふたりがどんな関係なのか、今の説明で大体なんとなく。・・・・ま、それでもツッコミどころはやたらと多いようですけど」
「でも、いちばんのツッコミどころはですね、どうしてウチのバカ兄貴がそんなことを万理谷さんに誓ったのか、なんです。・・・・万理谷さんと兄はどういう関係なんですか?」




草薙護堂は窮地に立たされていた。
前回の戦いの後、自らが所属する魔術結社《赤銅黒十字》の長老達を説き伏せ、常に草薙護堂の傍に侍るためにあの<紅き悪魔>エリカ・ブランデッリは護堂の通う高校に転入してきた。
そして転入初日に<婚約宣言>までかまし、クラス公認のカップルとなり、隙あらばイチャついてくる。
その姿を見せつけられるクラスの男子はついに我慢の限界を迎え、ついに諸刃の剣を抜くことになる。
そう、あの生真面目な媛巫女・万理谷祐里にチクるの招聘である。
そして物語は一気に加速する。
エリカのイチャつきとそれを注意するまるで正妻然とした祐里の注意。
ここは一体どこのハーレムだ。

そんな兄に対してヤキモチを焼く素行不良の祖父にだんだんと似てきている事を心配する妹・静花の機嫌と追求は日増しに厳しくなる。

しかし、事実を告げるわけにはいかない。
彼が世界に七人しかいない魔術師達の王にして、神殺しの魔王。
ペルシアの神・ウルスラグナを殺しその権能を簒奪した世界最新の「カンピオーネ」であるという事を。



彼は魔術を知らない。
彼は呪術を知らない。
彼は剣術を使えない。

それでも彼がウルスラグナより簒奪した権能は数多の魔術師・騎士を軽く凌駕する。

それは「カンピオーネ」とは魔術師や騎士の上位存在などでは決してなく、人と神は決して同格ではない。
そして人の身でありながら神を殺すことに成功した「カンピオーネ」とは決して常識で量って良い存在ではないという事実を表す。

東欧の老侯爵、中国南方の武侠王、妖しき洞窟の女王。
彼らは二世紀以上に渡って齢を重ねた古参の魔王である。
そしてそれに続く、新大陸の闇を駆ける異形の英雄と大英帝国の英知を強奪した漆黒の貴公子。
さらに今世紀になって王になった欧州最強の剣士。
そこに日本の高校生・草薙護堂が加わる。
この七人がそんな常識の外に存在する現在の「カンピオーネ」達である。


この2巻では東欧の老侯爵、最古参の「カンピオーネ」の一人である「魔王」サーシャ・デヤンスタール・ヴォバンがお目見えです。

彼がはるばる東欧より日本にやってきた目的は、あの「とある最古の女神」と我らが「カンピオーネ」、世界最新の魔王・草薙護堂の激突の際に、彼が縁を結んだ超常の霊視力を誇る媛巫女・万理谷祐里である。

ヴォバン侯爵はまつろわぬ神を招来する大呪の儀――それはかつて王の強権により集められた数十人の巫女達により執り行われ、儀式後にはその三分の二あまりの巫女が正気を失い、、心に傷を負ったという非常に危険な儀式である――を、自らが神と戦いたいが為だけにまた行おうと言うのだ。
その儀式の成功の為に類稀な霊視力を誇る日本の媛巫女・万理谷祐里を求めていた。


ヴォバン侯爵、彼はまさに魔王であり、暴君である。
他者を省みず、自らの欲する事を欲するままに行う。
それがまつろわぬ神の出現時に矢面に立つ「カンピオーネ」の特権と考えての事か、生来の気性かは分からない。
ただ、分かるのは彼が自らの前に立ちはだかるものを一切の躊躇なく踏み潰す男であるという事だけだ。


そんな男が、自らの友人である万理谷祐里を求めている。
その目的が非常に危険な儀式である事、その理由が自らの欲望に過ぎない事。
そうと知っては我らが「カンピオーネ」・草薙護堂は黙っちゃいない。
彼は自称・常識人であり、困っている友達を前にして見て見ぬ振りが出来るほど薄情でもなければ、「王」と「王」のぶつかり合いにより生じる災害や自身が被る被害を秤に賭けようと考えられるほどに大人でもなければ、実際にはそこまで常識人でもない。

ここに今回の対決の図式は完成した。
最古参の「魔王」サーシャ・デヤンスタール・ヴォバンVS最新の「カンピオーネ」、我らが「好色王」・草薙護堂

「魔王」サーシャ・デヤンスタール・ヴォバン、彼は既に少なくとも四柱の神を殺し、『ソドムの瞳』『貪る群狼』『疾風怒濤』『死せる従僕の檻』という四つの権能を持つ「カンピオーネ」である。
対する護堂が殺した神はウルスラグナ一柱のみ。持つ権能も『東方の軍神』一つだけ。
さらにヴォバン侯爵には「カンピオーネ」としての数百年の経験がある。
護堂にはまだ、たかだか数ヶ月の経験しかない。

戦力差は歴然である。
常識的に考えるなら挑むのもバカバカしい。
勝ち目などありはしない。


しかし、


かつてかの<紅き悪魔>の口からこんな言葉が語られた
「彼らは人の身でありながら神を殺し、王へと昇格した方々です。数字の上での戦力差など、どこまで意味があるでしょう?」

後に「とあるカンピオーネ」の弟子たる香港陸家の御曹司からはこんな言葉も語られる
「あの人たちにはキャリアなんて関係ないよ。神を殺し、その権能を簒奪した時点で彼らは埒外の存在なんだ。僕や姐さんはそこそこ上等な遣い手だと思うけど、最弱の『王』ですら僕らの遥か上を往く。」
「技とか術とか、策とか罠とか、そんなものを云々する相手じゃないんだ。僕は多分、七人いらっしゃる『王』たちの五人までは武芸で凌ぐと思うけど、まともに喧嘩を売る度胸は無いよ。あの人たちは、相手が誰であろうと必ず『勝ち方』を見つける。そんな才能も百年の修行も、そいつでチャラにしちまうんだ。だから王様なんだよ。」

「そりゃ年功序列とか身につけた技で勝敗が決まるなら、うちの師父が勝つだろうけどさ」
「そんな殊勝で扱いやすい人なら、そもそも神様と戦った時点で死んでるじゃないか。魔王の方々にそんな人間らしさを期待するほど、僕はバカじゃないぜ?」



そう、彼らは「カンピオーネ」である。
人の身でありながら神を殺した、常識の檻など遥か昔にぶち壊した存在だ。
だから権能の数など、「カンピオーネ」としてのキャリアなど、問題ではない。
そんなもので量れる存在ではない。

ゆえに勝負の行方は分からない。
その行方は是非、自ら本を手にとって確かめてください。



この作品の主人公である草薙護堂という男は基本的に煮え切らない。
強大な力を持ちながらそれを行使する気などさらさら持たず、基本的に平和主義であり、平穏な人生こそ最良と考えていさえする。
しかし、一旦闘争の中に身を置けば「獅子のように猛々しく、狐のような狡猾さを持って全力で勝利を掴みにいく」男でもある。

「神殺し」などという概念を持ち出した作品でありながら、その戦闘は力押し一辺倒でなく、観察と思考こそが肝。
性格を見極め、思惑を読み、行動を見定める。
敵の正体を看破し、来歴を明らかにする事で神性を剥奪するという「戦士」の能力を筆頭に、対峙する敵、置かれた状況によって変化する10の能力を駆使し、敵の能力を無効化し、丸裸にしていくという非常に戦略性が高いものです。

そんなバトルや、その「戦士」の能力を使用するために必須の神話薀蓄や、神の知識を持たぬ護堂にその知識をヒロインが教授するエンターテイメント性の高い「とある儀式」などこの作品にはたくさんの魅力が詰まっています。

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