境界線上のホライゾン 3(下)巻 (後編)

そんなわけでで後半戦。
マクデブルクの掠奪がついに始まる!という所からですね。

「武蔵の乗員。男も女も、町が浸水を始めたら、貴方達は退避し、こちらに来なさい。愚弟を待つとか、町を護るとか、そういうことは一切無視して良いわ。何故なら―」
「武蔵が到着し、私達が収容される際。そこにもし愚弟がいなかったら、私達は愚弟を置いて江戸へと向かうことにするから。」
「ちょ、ちょっと、喜美!」
浅間は慌てて喜美へと歩み寄った。
「あの、喜美」
しかし、距離を詰めきるより先に、浅間は一つの事実に気付いた。
喜美の下げた手。その右の手が、血の気を失うほど強く握られているのを、だ。

「喜美はトーリ君達が心配じゃないんですか?」
「心配よ。―だけど、信じていられない女は厄介なだけだもの」


お姉ちゃんは相変らずトーリ君大好きで、イイ女ですよねー。
基本状態がアレ過ぎますけど。


「丸太が来るぞ・・・」
「何だ!?単なる質量攻撃じゃねえか!?佐々先輩のようにはじき返してやるぜ!」
「おお!ここで受け止めて俺達が英雄だ・・・・!」
「第七、第八小隊は防御術式構え―!」
と、構えて見た落下の丸太や岩には、改派の符が貼ってあった。飛んでくるその内容は、
「―ひいい!‘当たると一年間非モテになる女人禁制術式’とか書いてある!」
「こ、こっちは‘一回当たるごとに将来ハゲる確率10%増しだが君は抵抗してもしなくてもいい剃髪術式’とか書いてある!」
「こ、こっちのは‘逆上野状態になる逆割礼術式’だ・・・・!」
狼狽えたところに直撃して、一気に十数人が非モテでハゲの危険性を得ながら割礼持ちになって吹っ飛ばされた。


うん、なんていうか酷いな。
色々な意味で酷い。
あの開戦直前のカッコ良さげな連中はどこ行っちゃったのよ?と考えるべきか、それをここまで揺れさせる魔性の術式に戦慄するべきか。
どちらにしろ酷いなっ!


「上から降ってきたらアンタのズドンでドカンしてボカンすればボインじゃないの?」
「どこからツッコんだらいいのか解りませんが、M.H.R.R.側が仕掛けてきた通神ジャミングに対抗するために、内燃排気を半分近く使っているんですよ。上には三艦ありますけど、今の状態だと一艦しかぶち抜けないと思います」
一艦しか・・・・・?と、皆が怪訝な顔をしたが、浅間は無視した。人間、誰しも基準の違いというのはあるものだ。


武蔵の主砲基準では「しか」というわけですね。解ります。


「御免な」
「俺がホライゾンのいられた国を作るから。オメエは俺の国の騎士になれよ」
「貴方は、―私の心の中にある負い目を、全部持っていくつもりですの!?」
「馬ぁ鹿」
「俺は何も出来ねえような人間なんだから、負い目預けられたって構わねえよ。だからオメエは、負い目があるなら俺に預けりゃいいんだ。何か暗くなったり、気落ちしたり、昔思い出して辛くなったら、ああ、馬鹿に任せてたっけ、って、それでいいんだ。」


現在のエロゲ収穫祭真っ只中の女装と、過去回想における全裸が繋がりません。
というのはまぁ置いておくとして、これはまぁ・・・・惚れるわなぁ。
男として・・・は、まぁ、人によるだろうけど、人として、王として。惚れざるを得ない。
この男は基本はアレだけど確かに誰かを救える男で、実際に武蔵のみんなを救ってきたんですねぇ。
そしてそんな男を唯一救えたのが賢姉様なわけで。
そりゃ誰も頭上がらないよなぁ。


「いいですの?ネイト、よく聞きなさい」
「・・・・何ですの?」
「あの王、早く食っちゃいなさい」


母親公認キタ━━━(゚(゚∀(゚∀゚(☆∀☆)゚∀゚)∀゚)゚)━━━!!!

「側室ルールが極東にはありましたわねえ・・・・」
「騎士!騎士ですの私!水戸松平の襲名者ですのよ!?」
「二重襲名だろうと何だろうと有りじゃありませんの」


やっぱ王言うたらハーレムですよねぇ。
側室ルール万歳です。
幸いホライゾンには嫉妬的感情がないようですし。
まぁそこは今後どうなるかわかりませんけどホラ子的にもネイトはペットだし大丈夫でしょ。


「皆、憶えておいて。―これは私の尽きる瞬間の在り方だと。私はただ、ただ尽きる時まで、皆を護って」
「そして最後まで私は私を使い尽くして、――そして勝つの」

「何故だ・・・・!お前、あれほどまでに・・・・・、兄王達に会うことを待っていただろうが!」
「遺される者のことを、何故考えない・・・・!」
「義康。勘違いするな」
「彼女は遺すのではなく、お前達を送り、そして行くのだ」
「見ろ、義康。それが、彼女が我々に望むことだ」
「見ろ」
「夜の空を行く、矢のようだ・・・・」

空に、太陽が生まれた。
爆圧によって暗雲に穴が開き、それが一気に広がって、空の向こうにあるものを見せる
黒の天上に見えるものは、
「月だ・・・・」
誰かが呟いた。
「月が、太陽を照らしているぜ・・・・」

「とんでもねえ女だぜ」
「全員憶えておけ。・・・・あの女は、俺達と同じ時代、自分の最後まで六護式仏蘭西を護ったんだ。つまり―」
へ、と勝家は小さく笑った。
「御市様がいる俺はいいけどよ。――貴様ら、あの女にフラれたって、そういうことだぜ」

「・・・・・」
「おい、馬鹿、顔上げろよ。見てやれよ・・・・」
言う輝元もの声も、震えている。そして彼女は彼の手を握った。
二人、男女は手を繋ぎ、夜空の中央に浮かぶ月を見上げた。
「あたし達は・・・・」
「アンタがいてくれて良かったと思うよ」


本多忠勝といい、アンヌ・ドートリッシュといい、
どうして彼らはこうもカッコいいのか。
どうして彼らの最後はここまで心を打つのか。
どうして失われてしまったのか。


「―何を言っているんですかトーリ様、ウンーコ出さない女なんてこの世にいませんよ。このホライゾン、本日は朝から充実の健康です」
ちょっ!少しはしんみりさせろよ!
というか賢姉もさすがにそこはそういう反応なんですね。
なんか妙に可愛く感じました。


カレー粉撒かれたら戦艦が砕けるなど、あってはならない事実だ。

全くだよっ!


「おいシロ。こいつ、傭兵だからよ。雇っちまおうぜ。友情金で買ってさ、なるたけこいつら盾にすんだよ。いい作戦じゃね?」
「待て、馬鹿か貴様!何を言ってる!」
利家は幾度も頷いた。あまりにも無茶苦茶だよね、と。
「いいか馬鹿。良く聞け。友情を金で買うなど、どんでもないことだ」
そう!そうだよね!いけないことだよね!?
「――あんなもの、金を払う価値も無い」
「えええええええ!?」


いや、ホント、シロ君は素敵です。


それが、・・・・私の、役目です」
「役目?」
「む、矛盾していようが、力尽くだろうが・・・・、卑怯だろうが、恐怖だろうが、な、何であろうが、わた、私が、この極東を支配します。そのためには、ええと、さ、逆らう意志も何もかも奪い去る。そのつもりです。」
「それってよー。ええと、おそおそまさはる?」
「恐怖政治?」
すげえ・・・・!
と皆が羽柴の能力に感嘆した。羽柴が、ちょっと肩をすぼめて、‘えへへ’と小さく笑う


あれ?満を持しての登場の羽柴さんが随分と萌えキャラですよ?


「安心しろ、私は死にに行くのではない―」
「私は、これからようやく、何も諦めず、生きに行くのだ」

「武蔵総長、聞こえているか」
「かつて君は言った。憶えているか?君は確かに、こう言ったのだ。その姫のことを―‘死ぬしかない人間じゃない。殺されるしか他にない人間じゃない’と」
「私達とて、他の選択がある人間だったのだ」

「武蔵総長兼生徒会長・・・・!」
「敢えて言う。―今後の戦いにおいて、君は笑え!」

「これから先、如何なる損失があろうと、泣くようなことがあろうと、君だけは笑え。私のようなものを笑って、君以外の全てが泣いても、戦える限り、君だけは笑え!絶対に、どのようなことがあっても笑って・・・・!」
「私と彼女のような連中を救ってくれ・・・・!!」


里見・義頼は言う。
自分達は失った。
しかし、失うしかなかったわけではない。
だから、
失われることを嘆くのでなく、
失うような結果を導いてしまった自分達を笑い、
もっと別の未来があったのだ、と
何があっても笑い続けてくれ、と

里見・義頼が願うのは彼が見つけた希望を絶やすことではなく、彼が見つけた希望とともに歩むことなのだから。


「全員まとめて描いてあげるわ」
「生き抜いていった連中に生かされた、そんな自覚を得た思いと顔を、描いてあげる」
「そうですわね。・・・私達は、自分で気付いていないところも含め、実はずっと多くのものを受け継ぎ、生かされていましたわ」
「わたし達は、いずれ必ず、その恩に報いましょう・・・・」
「―皆いい顔してるわ」
ええ。だから、
「次に歴史を動かすのは、私達の方よ」


敗北。
それも、まさに手も足も出ないような、圧倒的な。
アンヌに、松永公に、義経に、義頼に、その他大勢の者達に生かされ、なんとか生き延びた。
自分達の未熟と、自分達に期待し、または見守っていた多くの者の存在を知り、
数多の先人から受けた恩と意志を受け継ぎ、彼らは誓う。
次は自分達の番だ、と。

ラストの絵はそんな彼らの意志が込められた素晴らしい絵でした。

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