テンプテーション・クラウン

注目の新シリーズ。


テンプテーション・クラウン (集英社スーパーダッシュ文庫)
集英社
2011-02-25
雪野 静


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この世界に堕ちてきた神や悪魔の力を宿し、その力を行使する者・選定者。
主人公・アキトもまた物語り冒頭にて悪魔・ゼファの力を宿す選定者となる。
その力は最弱でありながらも影響力は絶大で・・・・。


という事で「魅惑」の力を手にした高校生が世界を動かすような力を持った少女達を虜にしてしまうというお話です。

えげつない話ではありますね。
力により惚れられる。
が、彼自身には好きな人がいる。
寄ってくるのは富も力も美も兼ね備えた魅力的な少女達。
「ラッキー」と言って食い物にできるような性格の主人公であれば話はまた変わっていたかと思いますが幸いにして?彼はそうではなかった。

自分自身を見て、ではなくてあくまで「力によって」であるのでそこに喜びはない。
しかし彼女たちの行為も想いも本物である。
受け容れることなどできなくとも、一方的に、無理矢理惹き付けておいて、拒絶して、傷つけるなどという事も出来ず、制約により事実を告げることも出来ず。
一見すれば優柔不断にしか見えないかもしれませんが、これは誠実さでもあるはずです。
「自分」を好きなわけではない、でも向けられた好意には返さねばならぬ。
それは愛や好意からでは決してなく、感謝であり、恩であり、彼自身の生き方であり、矜持である。
「力」で惹き付けて、逃げる口実にも「力」を使ったりするような卑怯者でなくてホッと一安心と言うところです。

で、ヒロインについて。
ダメッ子や・・・ダメッ子がここにもおる。
いや、ホントダメな子好物なんですわ。
そういう意味では実にこの二人は良い。

最強の王冠でありながらその心根は他の誰よりも繊細で一途で臆病で、しかしそうであるがゆえにやはり一番強くもなれるルヴィ。
最初に追突してきておきながら、おっかなびっくり、ちょっとずつちょっとずつ戸惑いながらも再び近づいてくるルヴィの姿に悶え、

天真爛漫に唯我独尊で無邪気なお姫さまの彩姫。
自分が疎まれる事などないという根拠もない生まれと育ちゆえの傲岸さで近づいてくる彩姫。怒られて不満を憶えながらもそれにどことなく喜びさえしている「構ってもらえる」なんて些細な事に喜んでいるように見えてその態度の尊大さとのギャップに悶え、

そして腹黒のラース。
実に腹黒。これこそが正統な腹黒キャラと言わんばかりのキャラっぷりに悶える。

実に魅力的な少女達です。
まぁ個人的には兄の方が「魅惑」にやられちゃっても面白かったと思いますけどねッ!


そして忘れちゃならないのが幼馴染。
珍しくも異性なのにヒロイン戦線には不参加。
というか既にアニキの婚約者という事で売約済みの彼女。
何この子、カッコ良すぎるんですけど。
一般人の身でありながら選定者にも臆さず、己を貫く漢の姿。
それでいて女としての全てを婚約者に捧げきった姿。
そのギャップに惚れないわけがない!
まぁあのアニキがどう接しているのかはよく分かりませんけど。


「力」による感情の矯正。
これが作品の最後まで貫かれるとはとても思えず、ゆえにどこかでその力は消える定めなんでしょう。
無理矢理弄られた感情で過ごす幸福な時間。
その時間が続けば続くほどにその先にある感情のブレは大きいはず。
果てにあるのは反転した憎悪かそれとも・・・?

「力をなくしても感情が消えるだけで記憶は消えない」
それが救いとなることを願って、ついでにちゃんと、しっかりきっちり完結させてくれることを願って、次巻を待ちます。

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