いわゆる天使の文化祭

葉山くん、ヒロインに逆戻りの巻。


いわゆる天使の文化祭 (創元推理文庫)
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「馬鹿!」
「い、いきなり何すんのっ。こんなとこで、いきなり」
「すいません」
「馬鹿、謝んないでよ」
「や、やるならやるって言ってよ。もうっ。びっくりしたじゃない」
柳瀬さんはなぜか顔を真っ赤にし、どもっている。おかしい。この人がどもるなどというのは、ハワイ上空にオーロラが出るくらいの異常事態ではないだろうか。



二人の探偵、二人の犯人、同じ時期に起きた二つの事件・・・・・と思いきや、三つの事件に三人の犯人、そして二つの時期、と。まぁ犯人がわからないだけでなく何から何まで自分の推理は外れるあたり、探偵役は向いてないなぁなどと思ったり。・・・まぁそんな事は端から分かっちゃいますけどね。

相変わらず、なんとも魅力的な登場人物のオンパレードである。
1巻ぶりの登場となる伊神さんの妹・翠ちゃんはもとよりもう1人の探偵役である奏や上条先輩、果ては葉山君のクラスの委員長や瑞穂さんに秋野などの脇役に至るまで。
正直このシリーズは1巻の時からそうなのだが魅力的な脇役を使い捨てすぎるのが読んでいて辛い。まぁ読み返してみると秋野とか1巻(理由あって冬に出る)にも登場しているので別に使い捨てているわけではないのだろうけれども。
それでもせっかく「さよならの次にくる」で登場した翠を次の「まもなく電車が出現します」で全く出さなかったり、今回も・・・まぁ美味しい役どころは用意されていたのだけど終盤まで出番がなかったり、である。
何が言いたいかといえばまぁそれは葉山君を巡るラブトライアングルをちゃんと形成してラブ方面でももう少し楽しませてくれよぅ!という話なのだけど。

っつーかあそこで固まっちゃう辺り柳瀬さんもアレやなぁ。可愛いとは思うのだが、その後で茶化し気味になっちゃう辺りが進展のなさの原因というか。そこはもうスイッチ入れて人目気にせず一気に落とさないと!鴨がネギ背負って自分の懐に飛び込んできたんですよ!外から発破かけないとこれ、なんだかんだできっと現状に満足してそのまま進展がない気がしますよ、自分は。
抱きしめられて顔真っ赤にして、それで終わっている場合じゃないよっ、柳瀬さん!来年、翠ちゃんがやってくるんですぜ?余裕ぶっこいて、外掘り埋めることばかりに執心しているとトンビに油揚げを掻っ攫われる結末になりかねないっすよ!
おまけに今回、上条先輩なんていうダークホースまで出現しましたし。彼女、柳瀬先輩並みのスペックあるでしょう?絶対これ葉山君の事気に入ると思ったけど案の定だったしww
「同類」なんて言われちゃって、コレもう絶対ターゲットロックオン状態でしょう?むしろそうであってください、お願いしますってなもんですよ。
そうすれば柳瀬さんも危機感抱いてチャンスは見逃さなくなるんじゃないかな。キャラが強度的に被って見える上条先輩と、自分にはない年下系の魅力持ちな翠ちゃんとダブルでくれば、ねぇ?時系列が良くわからないんだけど前回実際に掻っ攫われかけてるわけですしね。彼女よりも強力な二人のライバル出現となれば余裕なんてぶっこいていられないでしょう。

デウス・エクス・マキナ過ぎる伊神さんも相変わらず。
伊神先輩という人物をよく知っている葉山君たちでなく、初対面の奏から見た伊神さんというのがシリーズ当初、自分達が伊神さんに対して感じていて、でも巻を経ることで慣れてきて「こういう人だ」という概念を得る前の初々しかった感想を思い出させてくれてなんともおかしみを覚えました。

あとは・・・挿絵、ですね。
ラノベじゃないので(まぁその辺の線引きが自分には良くわからないけど)挿絵がない。
表紙だけ。
これが少しだけ・・・・ではなく、かなり辛い。
抱きしめられて顔真っ赤にしている柳瀬さんや、女装葉山君とか、奏の背後に立って肉食獣的な笑みを浮かべている上条先輩や、進退窮まった葉山君の前に伊神さんを連れてきた翠ちゃんなどなど、まぁぶっちゃけ挿絵なくてもかなり具体的にイメージは出来ているんだけど、やっぱりそれでも挿絵は欲しいわけで。
電撃文庫とかから挿絵付きの新装版とか出たら思わず買ってしまうレベルです。


しかしまぁ、前回でスキルアップしたニュー葉山が、年上キラーの葉山が、柳瀬さんをいくらか振り回す、主従逆転が、下克上が起きるのかと思いきや、葉山君、またぞろヒロインに逆戻りですね。なんかもう皆から愛されちゃってまぁ。翠の献身、柳瀬さんの気遣い、上条先輩には狙われ、瑞穂さんには弄られ、兄妹の縁を切る発言が大きかったようにも見えますが伊神さんに至っては葉山君のピンチに旅行中の九州から取って返してくるとか、もう。
今回、柳瀬さんが男装してましたけど、翠や上条先輩も男装して、女装した葉山君を巡って争うような演劇部による劇中作とか、短編としてやってくれてもこれ全く違和感ないよね?むしろ大好評でしょう?
しかも最後はきっとそれまで蚊帳の外にいた・・・っていうか劇関係ない伊神さんが颯爽と現われてマイペースに攫っていくんだぜ?もうリアルに想像出来ちゃいますよ。全く、葉山君はヒロイン過ぎるね。

この作品に難癖つけるなら刊ペースですね。今回は前回から半年くらいでしたけど、その前は1年以上開いてたはずですし。せめて半年ペースくらいでコンスタントに出して欲しいですね。
ま、なにはともあれ、次も楽しみにしています。

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