サイハテの聖衣

正義の味方の使用する兵装にはお金がかかります。その一部は自己負担です♪


サイハテの聖衣(シュラウド) (電撃文庫)
アスキー・メディアワークス
2011-12-10
三雲 岳斗

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「AS552よりコントロール!封印解放第三段階を申請します。許可を!」
『赤間関コントロール了解。封印解放を承認』
『なお、今回の出撃より、封印解放の基本料金が毎秒六百新円になります。ご注意ください』
「なっ!?高っ!?」
「こないだ値上がりしたばかりじゃない!なんでまた!?」
『大変心苦しいのですが、昨今の物価の高騰によるやむを得ない処置です。燃料費や電力や、設備の維持費や、その他もろもろ・・・』
「くっ・・・・AS552了解!」


未知なる化け物の侵攻で日本壊滅の危機にある未来。
その化け物に唯一有効な兵装である獣装戦闘服、またの名を聖衣。
適応者しか扱うことの出来ぬその兵装に身を包み、最前線で戦い続ける乙女達の戦場における華麗なる日常を語るのがこの物語である!

・・・と行きたいところであるが、この作品のメインキャラ4名はいわゆる“落ちこぼれ部隊”。
まぁ落ちこぼれ部隊がその実、実力者で構成されている・・・・なんてのはまぁある意味テンプレであり、この作品もそこは踏襲しています。
ただそれらのテンプレから逸脱する要素がこの作品には一つ。

化け物に有効な唯一の兵装・聖衣。
これの使用にはお金がかかるのだ!
それも出力を上げれば上げるほど、大技であれば大技であるほどにお金がかかる。
そしてそのお金は一部が自己負担なのである。
化け物には懸賞金がかかっており、倒すことで稼ぐことも出来るのだが下手な運用をすると借金しか残らないなんて事も・・・・・というのがなんとも斬新。
貴方は借金の可能性を抱えながら正義の味方、続けられますか♪


とまぁ、この設定は非常に面白いと思います。
GA文庫にはポリフォニカとシリーズいう多くの作家が世界観を共有しながらそれぞれの持ち味を活かした作風でシリーズを展開していく作品がありますが、ああいう風にこの作品も他の作家と共有して全く別のシリーズを展開させても面白いんじゃないかというくらいには魅力を感じています。
ただ、これは逆に言うと、この作者の手によるこの作品自体があまり魅力的ではないという事でもあるわけで・・・・。

というのもこの作品は基本的にいわゆる「日常系」に分類される作品であり、そこはまぁ良いんですけど、ようするにキャラクターの魅力がそのまま作品の魅力の大部分を占めることになるわけでして、設定の良さがあまり活かされないんですよね。
そしてこの作品におけるキャラクターの魅力というのを自分はちょっと受け入れられないわけでして・・・。

コメディーそれ自体はそれなりに面白い部分もあるんですけどね、そもそものキャラクターに魅力を抱きがたいのがちょっと大き過ぎるマイナスです。
彼女らはなんというか人のプライバシーへの配慮が薄いんですよね。親しき仲にも礼儀ありなんて言葉もあるように守るべき一線ってあると思うんですよ。
でもこの作品のメインキャラ4名は各々勝手に自分が知っている仲間の過去をぺらぺらと喋ったり、誰にも喋っていない過去やプライバシーを探ったり、ギャグが流すべきでないように感じる部分なども軽く流してしまうのがどうにも自分には受け入れがたいものとして感じられました。
それがそれぞれのキャラクターの軽さに繋がってしまい、ギャグに対する緩急自体を緩めてしまっているようにも感じられ、そもそもぺらぺらと語る距離感に対しても違和感があり・・・とまぁ自分としてはどうにもこうにも悪印象の連鎖でして・・・。

4名の自己紹介的な側面があるのは分かるんですけどもう少し丁寧に展開を用意出来なかったのかな、と残念に思います。
・・・・が、まぁそもそも作者の「ストライク・ザ・ブラッド」なんかも自分は1巻で挫折しており、他に「アスラクライン」も中途挫折ですし、根本的に作者の作品そのものが合わないのかもしれないわけで、だとするならば今後はちょっと新シリーズも人気があろうと敬遠する方向でいきべきかもしれないわけですが。

兵装使用にお金がかかります。
一部自己負担です♪
という設定そのものはとても面白く思うので出来れば世界観を共有したり、この作品をパク・・・・リスペクトした、この作品にインスピレーションを得た作品の登場に期待したいところです。

そういえばちょっとだけ似た作風の・・・・ようするに「力の行使にお金がかかります♪」な作品というと昔、ファンタジア文庫から「ハーモナイザーエリオン」なんて作品がありましたね。何よりもお金が大事と言いつつも誇りとかそういうものも捨てきれないかっこ悪くてカッコいい主人公の成り上がり系の作品で個人的にはすごく好きなシリーズだったので一応完結はしていますがまだまだ続けられそうだったので第二部とか未だに期待してるんですけどねぇ。その後に出したシリーズが微妙に人気があるのか続いているので無理かなぁ、そっちは好きじゃないんだけどなぁ。

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