アンチリテラルの数秘術師 5

最悪の最終巻。

アンチリテラルの数秘術師(アルケニスト)〈5〉 (電撃文庫)
アスキーメディアワークス
2012-03-10
兎月 山羊

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「すいません、お待たせいたしました、お客様!」
「・・・冗談だろ、アンデレ」
「げぇぇ!いらっしゃいませ、お客様」
「うわ・・・・何故かよくわからないけど、店員さんが嫌そうな顔で、口先だけの歓迎をしてくれたよ。・・・・・この人って、誠一の知り合いなの?」
「・・・・まあ、な」


正直、4巻の時点で怪しいところはあった。
零の災厄の数、カラスを倒す方策がなくて誠一に異能を目覚めさせたようにしか見えなかったから。
この作品の魅力は、あくまで何の力も持たない主人公が誰もが諦めるような絶望を前にしてもなお抗い、勝利への道を見つけることだと思っていたから、誠一が異能に目覚めてしまうのは前提が覆ってしまうのだ。
あくまで4巻のそれを答えを見つけ出すまでの時間稼ぎとし、この5巻でその答えを提示してくれるものだと、儚い希望を抱いたわけだけれど、それはやはり儚いものでしかなかったようで、つまり希望は裏切られた。

誠一はアンチリテラルという異能、平たく言えばなんでもありというご都合主義も甚だしい異能に目覚めた。
おまけにこの巻では威勢の良いことを言った上で、苦難に直面した矢先、誰よりも先に、唯一人心を折られた。
つまり、これまで冴上誠一という主人公の魅力だった部分が全てなくなってしまったのだ。

その上で、黒幕と思えたクリフォトは中途半端に意味の分からない形で解散となり、目的すらバラバラで、かつ敵にも味方にもなりきれず、かといって第3勢力というのもおこがましい、どこまでも中途半端でつまらない立場に貶められ、満を持したラスボス、アイン・ソフは絶対悪という言葉で語れるほどには重みのない、かといってこれといって正義も持たぬ、ただの下らない破壊者に過ぎず、4巻で絶対的な壁として立ちはだかったカラスは倒される事もなく、改心・・・などというには薄っぺらい、なんとも唐突な形でアンデルを庇い途中退場、そしてそのまま行方知らず。

正直、ガッカリだ。
それ以外の言葉が浮かばない。
唯一良かったところを挙げるとすれば、それはアンデルのわざとらしいツンデレアピールくらいであり、素直可愛い雪名は捕らえられていたせいで出番すらなく。

結局、なんで誠一がアンチリテラルに目覚めたのかとか、それは血筋なのかとか、なぜそんな異能が存在するのかすらわからないままで、そもそもアンチリテラルという異能は無限の災厄の数に拮抗する以上、教団は野放しにする事を是とする理由が無いというか、この辺りの設定がかなり端折ってある気がする。
ある意味この作品を台無しにしたA級戦犯だというのにだ!
存在自体が邪魔な上で、設定すらあやふや。
広げた風呂敷を畳めなかったがゆえの禁じ手にしか見えない。

本当に残念だ。

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