源氏 物の怪語り

千年の昔、今とは何もかもが違う時代、しかし、そこに在るのもまた「人」の世であった。

源氏 物の怪語り (メディアワークス文庫)
アスキーメディアワークス
2012-01-25
渡瀬 草一郎

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「所詮この世は一期の夢、か――ならば存分に、夢を見ようではないか」

まぁ正直、この時代(に限りませんが)の知識ってあんまりないので色々と先入観なく、新鮮な気持ちで読めました。
が、読み終わったあとでwikiで紫式部や和泉式部などなど、登場人物の逸話なんかを見てみると、「ああ、あれがこれか」みたいな感じでニヤニヤ出来たので、この時代に詳しい人も詳しい人でまた違った楽しみ方が出来るのでしょうね。
とりあえずあまり詳しくない人は詠み終わったあとに少し調べてみるとちょっとだけニヤッとできるかもしれませんので是非。

とりあえず、作中の主人公である藤式部は30は確実に越えた子持ちの未亡人な筈なのですが、なんとも若々しいというか少女然とした印象を受けました。
姉に甘える姿や、和泉式部とのやり取りはそういった可愛らしさに溢れていました。
それだけでなく、年下の伊勢大輔や娘である賢子を相手にしたときなどは母としての、また先輩としての「大人」としての姿であり、また和泉式部や公任相手にいた時のちょっと毒を孕んだツンとした態度などなど、様々な貌を見せてくれる魅力的な主人公でした。

作中、圧倒的な存在感を放つ藤原道長。
まぁ時の権力者ですから、当然といえば当然ですが。
正直、自分の歴史(多分小学校の社会レベル)の知識で言うとあんまり良い印象のない人物だったわけで、その先入観からか、やはりあんまり好きになれませんでしたけど、↑の言葉は好きです。
別に彰子の考え方が嫌いとかじゃないですけどね、たぶん「だからなにもかもがどうでもいい」って事じゃないと思うので。
でもまぁ、どうせなら流されるよりも自力で泳ぎたいよな、って感じですかね。
自分の人生が岸も見えない沖合いで漂流中だから思うのかもしれませんけど(苦笑)

また著者のファンとしては同じ平安時代を描いた「陰陽の京」の登場人物が一部登場していて、嬉しい誤算というかなんというか。まぁ時代が少しズレているのでメインではありませんけどね。

今よりも死が身近にある世の中ゆえの儚さとでもいうのですかね。
そんな雰囲気をどこかに漂わせるこの独特な時代。
今とは常識も倫理も生活も、ありとあらゆる全てが少しだけ違うこの時代ですが、それでもそこに生きているのは今と同じ「人」であり、あとがきにもありますが人が死ねば悲しく、けれども人が恋しく、しかし恋は綺麗なだけじゃなく、子供が生まれりゃ嬉しいし、先立たれれば涙を流す。
何かを求め、何かを羨み、何かに恋焦がれ、何かに恐怖する。
その心は今と、自分達と何一つ変わることはなく。

色不異空、空不異色――
色即是空、空即是色――
色は空に異ならず、空も色に異ならず。
色は即ち空であり、空は即ち色である。
あると思えばある。ないと思えばない。
思いは信じることで思いとなり、拒絶することで消えていく。
眼に見えるもの、耳に聞こえる言葉ばかりが全てでなく、それらに執着する必要もない。
信じるものは、心の内にあればいい。


かつても今も、人の心に違いがないのであれば、
かつての真実は今も真実のままである。

だから・・・・その、つまり・・・・・・そういう事なんだよ!!!
要するに、真実は君の心の中にある!(キリッ)
って事で。

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