魔弾の王と戦姫 5

MFよりも富士見辺りで出してくれたほうが良かったかも。

魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉5 (MF文庫J)
メディアファクトリー
2012-08-23
川口士

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉5 (MF文庫J) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


「どう動くにせよ、誇れるような戦いをするということだけは、決めている」
「誇り・・・?」
「そうだ。戦姫になるよりも前・・・・一介の傭兵だったころから私の中にある、戦士としての誇りだ」
「傭兵には、拠って立つものがない。だから――誇りを持てと私は教わった。私が私であるために。私が戦士であるために」


なんでまたそんな事を考えるかと言えば、どうも戦記モノとしてのこの作品の売りとMFらしいハーレムラブ的なノリが自分にはどうにもチグハグに感じられるのですよな。
ヒロインが多いせいであっちのヒロインの魅力を出したり、こっちのヒロインの魅力を出したり忙しい事このうえない。
しかもこれはあくまで戦記モノである以上、戦記モノの登場人物としての人間的な魅力と、そしてヒロインとしての魅力、双方を描かなければいけないわけで、そんなヒロインが次から次へと投入されては一人当たりに割ける描写の量が減ってしまい、焦点がぶれ過ぎる。
この巻に関してはリュミドラにリムにティッタにレギンというヒロインズが全く機能していない。
結局、美味しいところをエレンが一人で掻っ攫ってしまっていて、定型的なハーレムラブコメ的やり取りを行うだけの盛り上げ役以上の意味を彼女たちが持っていないという。

そもそもこれが戦記モノである以上、ヒロインズ以外の男キャラにも焦点を当てなければ作品世界や物語に対して読者が感じる厚みとか重さというものが足りなくなるわけで、それなのに、カラー絵で主人公と戦姫のみ登場させて、登場人物一覧すら作らぬのを見ては端から男連中を切り捨てていると言っても過言ではない有様で、実際にその都度誰かに焦点を当てて僅かに描写するも以降掘り下げなどせず、あっさりと準モブ的な扱いに格下げ状態の男連中を見るに男を主人公以外まともに書く気(もしくは書かせる気)がないのは明らか。

それが作者の意向かはたまた編集の意向なのか、富士見で「ライタークロイス」を書いて以降ハーレム指向の強い作品を書いている上に、著者のホームページだかで「ライタークロイス」のその後の話をチラッと読む限り、作者自身にハーレム指向がある気もするわけで一概に編集の責任とは言えないものの、舵取りくらいはして欲しいわけで、であるならば「ライタークロイス」を書かせた頃の富士見の編集が有能であったのかはたまた作者の嗜好がかつてと今とで変わったのか、それとも自分の嗜好がただマイノリティで読者の多くが今のハーレムをこそ支持する結果としてこの作品の形があるのか。

何もかも確実な事はわからないことだらけではありますが、とりあえず自分は戦記モノとしての持ち味を発揮するのであればヒロインは二人くらいに絞って欲しいと思うわけであります。
あとの面子は男にするなり他のキャラと絡ませるなり、でなくばせめてあからさまに主人公との間にフラグを立てないだけでもいい。

ぶっちゃけ自分だってハーレムは好きなのです。
ただ、こうもあっさりとあっちこっちでフラグが立って、戦の最中にあっちこっちのヒロインにピンクな雰囲気醸し出されたりラブコメ時空展開されると戦記モノとしての空気が拡散されてしまうのですよ。
そもそも「人間としての好意」と「異性としての好意」とは異なる物であるという哲学を持つ自分的に1巻ごとに見ず知らずの存在だった主人公にあっさりと同時に両方の意味で好意を持つとかチョロ過ぎて破壊力が無いっていう。
溜めは大事なのです。
溜めは大事なのです。

既に過去の感想でも書いていますし、他の感想でもたまに書く言葉ですけれど「高嶺の花なら高嶺で咲いてろ」「落っこちてくるな」「主人公が高嶺に至れ」と。
そのためにもじっくりと、関係の構築・・・・・少なくとも異性としてのそれはゆっくりと進めていくべきだと思うんですけどねぇ。

そして前述の通り、あっちこっちのヒロインの魅力を見せようとし過ぎて焦点のブレという問題もあり、あらゆる意味で一人一人のヒロインの魅力が薄くてかなわんのです。


とりあえず、ここで物語は一段落。
てっきり一気に3年後を舞台に第二部が開始なのかと思いましたけれどそんな事はないようで。
何はともあれ、間をおかずに次も出るそうなので楽しみにはしますけれど、第二部になってさらにヒロインが増えたりしたらどうしよう・・・・と、戦々恐々だったり。


既刊の感想はこちら。
http://otakouta.at.webry.info/201204/article_39.html(4巻)
http://otakouta.at.webry.info/201201/article_11.html(3巻)
http://otakouta.at.webry.info/201105/article_7.html(1巻)

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック