ドラフィル!〈2〉竜ケ坂商店街オーケストラの革命

音楽と共にある町―「竜ヶ坂」から贈る音楽を愛する人々の物語、その第2弾です。

ドラフィル!〈2〉竜ケ坂商店街オーケストラの革命 (メディアワークス文庫)
アスキーメディアワークス
2012-09-25
美奈川 護

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「響介、弓を置け」
「お前にこれ以上、ヴァイオリンを続ける価値はない」


自分はどうも自己投影ないし感情移入できるような人物の登場しない作品というのはあまり読むためのモチベーションが上がらないんですよね。

そういう意味でこの主人公は七緒という破天荒でパワフルなキャラクターのブレーキ役で補佐役でありながら、事態解決能力が高いわけではなくて、基本的に彼女の行動に対してツッコみ、驚き、不安視し、ようするにネガティブな対応がほとんどなんですよね。
それでいて事態は結局のところ七緒の思惑通りに進み、大抵の場合は七緒の出した方策が解決への道筋になる。

ならば七緒というキャラクターを繋ぎ止める、もしくは彼女が十全にその能力を発揮出来るように精神的な部分で支えになれるような、彼女にとっての安全地帯というか、自由奔放で大胆不敵な彼女が唯一甘えられるような、そんな存在足りえるのかといえばそれもなく、むしろ彼女に寄りかかっているような、折に触れては支えられるような、そんな自分の事すら持て余しているわけで。

ゆえに「お前いる意味あるの?」という話になるのです。
正確には「君が主人公である意味はあるの?」になりますかね。

それは自己投影とも感情移入とも程遠い感情で、もう1人のメインである七緒も少なくとも自分がそうやって物語に入り込むきっかけとなるようなキャラクターではなく、ゆえにこの「ドラフィル」という作品自体に対して、自分が読むモチベーションというのがあまり上がらずに、こうして長く寝かせておくような事態になるわけです。


まぁこれはあくまで自分の好みという観点から見た話なわけですけど。
純粋に物語としてみれば面白い作品である事は認めますし、だからこそ逆に悩ましい作品でもあるというか。

でもですね、例えば2話で学校に酒屋の店主の過去を調べに行った時に「図書館が2階にあったならお前らに調べさせた」と言っていた場面でですよ?もし2階にあった場合に彼女を抱きかかえて主人公が階段を上り、車椅子を少年が運ぶとかそういう選択肢を自然と取るようなそんな関係に二人があったなら、めっちゃ萌えると思いませんかね?
いや3話で運んでますけどね?あれはなんつーか足でしかないわけじゃないですか。
上と下、関係が如実に現われているというかね。
いやまぁそれでも十分に異例なんじゃないかという気はするんだけどね、でもあれじゃ甘くないのよ。

強気で不遜で奔放な彼女が臆面もなく甘えられる唯一の存在であれば、事態を解決するのは彼女であっても、そんな彼女の根っこを支えているのが主人公の存在であれば、彼が主人公でいる意味はあると思うのですよ。
無論、ベタベタと甘えられては七緒のキャラクターが崩れますからそういうのはいらんのですけどね、サバサバしつつも甘いという、ふとした瞬間に見えるパーソナルスペースの近さというか、全面的に頼られる部分を見せるというか、思わず周囲が赤面するようなそれでいてナチュラルな甘さを表現してくれたらなぁとか。

今のまんまじゃあまりにおんぶに抱っこで情けなさ過ぎるのですよ!
つまりそういう事なのです。


4話でヴァイオリンにまつわる真実が明らかになって演奏が始まる流れの盛り上がりはそのうねりが肌で感じられてざわついて素晴らしかったんだけれど、結局自分の力一つではどうにも叶わずに諦め掛けてうずくまりかけて、たまたまE線切れから持ち直したわけですけど、確かに物語としてはそちらの方がケレン味は利いているとは思うのですけど、でもちょっとそれは情けないんじゃないかな?というね。
せっかく物語はうねりをあげて盛り上がっていくところだったのに、主人公が蹲るとか。
思いっきり前掛かりにつんのめってしまいますよ。

とにかくもうね、主人公の情けなさが目に余るんですよ。
お前がもうちょっとしっかりしてくれれば色々な場面でもっと絵的に映えるシーンが生まれるんだよ!とね。
萌え的にも、燃え的にも。


あとちょっと割高になってもいいからそれぞれのタイトルになっている曲を収録したCD同梱版とか発売してくれませんかね?
盛り上がりたいんだけれど曲を知らない分、こっちの気持ちが空回ってしまうんですよねー。


1巻の感想
http://otakouta.at.webry.info/201205/article_40.html

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