サマー・ランサー

「爽やか」という言葉を体現するような表紙に惹かれて購入。

サマー・ランサー (メディアワークス文庫)
アスキーメディアワークス
2013-04-25
天沢 夏月

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なあ、じいちゃん。
見えてる?俺の今立ってる世界、じいちゃんには見えてるか?
俺が今日どんな試合して、そしてこれからどんな試合をしていくのか。
剣道じゃないけど、ずっと見ててほしいんだ。
これが俺の新しい世界なんだって、知ってほしい。


ただ、その中身・・・少なくとも主人公は「爽やか」とは程遠い主人公でした。
共感ができないわけではないのですがもうちょっと爽やかさがないと、内に向きすぎて同じところでグダグダと悩み続けられても・・・。
しかも最後にカラッと晴れてくれるならこっちで勝手に帳尻を合わせられるんだけれど、どうも終盤は急ぎ足になっているというか熟成が足りないというか、どうもしっくりと来ない繋ぎ方吹っ切れ方で・・・。
「表紙詐欺だ!」とまでは言わないものの、表紙負けしているとは思ってしまい、そこは残念でした。

それでもこの表紙のインパクトはちょっと近年稀に見るレベルであり、素晴らしいと言わざるを得ない。
裏表紙の方にまであの青空が続いていたら自分史上最高の表紙として長く語り継がれる事になったのではないでしょうか。
そのくらい表紙は素晴らしかったです。

架空の槍道というスポーツを随分と練りこんで作ってあると言うか、あとがきにて明かされるまでそれが存在しないなどと露ほどにも思わなかったので、そこもまた感嘆の一言です。

青春小説としてみても一つの道を志半ばで諦める事になった主人公が新しい道に出会い、これまで恵まれなかった「仲間」を得て、仲間に支えられもう一度歩き始める姿は良作と言えるのでしょう。

しかし、これはもう完全無欠に自分の好みの話になってしまうのですがこの主人公が剣道から槍道に乗り換えるというのが致命的なまでに受け付けない。
一時的な退避場所として、英気を養うための場としてはありだと思うのですが、完全に剣の道を降りてしまうのがどうしようもなく受け付けない。
もちろん、場合によってはそういう選択もありです。
何が何でも最初に選んだ道を貫かねばならないなどとは言いません。
槍が悪いとも言いません。
それでも、この主人公が剣の道を降りる事だけはどうしても自分は受け付けないのです。

そういう意味で、この作品の根本の部分で自分に生理的に合わないというのが惜しい作品でもあります。
もし続きが出るなら、いっそ槍と剣の二足の草鞋とかでも良いんで、剣をもう一度手にとって欲しいと思います。
その程度にはその根本的な部分以外では悪くありませんでした。


最後に一つだけツッコミどころを。
仮にも日本の武道の称号で「グングニル」はないわー。
なんで北欧神話よ?

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