かくて滅びた幻想楽園

つまらないわけじゃない。

かくて滅びた幻想楽園 (富士見ファンタジア文庫)
富士見書房
2013-05-18
手島 史詞

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「俺は復讐を捨てる。俺はもっとたくさんのものを手に入れる。復讐なんて荷物を担いでる余裕はない。そう決めたんだ」

んー、この作品も「マルク」以降のこの人の作品に感じる「拙速さ」とでもいうのだろうか、練りこみの浅さというか、物足りなさが付きまとうのが相変わらずで残念です。

面白くないわけじゃないんですよ。
面白くないわけじゃないんですけど、もうちょっと時間をかけて練りこんでじっくりとやればもっと面白いものになったんじゃないかなーという感覚がどうしても抜け切らないんですよね。

キャラクターの行動の動機付けとか、もうちょっと深く描けないかなぁと。
なんかどうしてもプロットありきみたいな違和感を覚えてしまうんだよなぁ。

各キャラクターが既に結論や場面場面での行動や役割を最初から持っていて、そこに至るまでの過程が省かれているというか、別に葛藤が見たいとかそういうわけじゃないんだけれど、どうしてもキャラクターに感じる生の匂いが薄いというか。
キャラクターが勝手に動いている感じとでもいうのかな?そういうのが全く感じないんですよ。
完全に作者の管理下におかれているというか、それこそディストピアみたいな作品というか。

んーでもそういう感想って見かけないからマルク以降の速筆っぷりに対する先入観的なものが自分の中で働いているだけなのかなぁ?

こうも毎回決まって同じような感想を持ってしまうという事は一度この作者からは離れたほうがいいのかもしれんなー。


この作品そのものの感想に関しては、まぁそんなわけで突出した魅力を感じるキャラは存在しませんでした。
クレアールとイオリがWヒロインという感じなのでしょうけれどイオリは若干影が薄いし、クレアールの方も別にそこまで際立った個性があるでもなければスペックが高いでもなし、意外性があるでもなし。
主人公もやたら不敵なんだけど、そこに重みや風格みたいなものは感じないのでちょっとキャラクターとして軽いし。

内容的にも人間よりも上位の存在に管理された世界とそれに反逆する組織に身を置く主人公というのはどこかにありそうな設定で、まぁ主人公が既に復讐というものに価値を見出していないというのが特徴かな。
でもその思考に至る経緯が若干描写不足な感じで生の感情としては何も伝わってこなかったからなー。

良作一歩手前、って感じですかねー。


著者の作品の感想の一部はこちら。
http://otakouta.at.webry.info/201210/article_21.html(黒の夜刀神 3巻)
http://otakouta.at.webry.info/201301/article_30.html(飛べない蝶と空の鯱 3巻)

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