空の勇者と祈りの姫

事前準備こそが戦争の勝敗を分けるのだ!


空の勇者と祈りの姫


西暦2530年――――地球統合宇宙軍大尉アラタ=レオーネは生涯最後の戦闘中、見知らぬ土地に放り出され混乱の極みにあった。
調査の為、搭乗機V-3Eから外に出るアラタが見たものは、時代錯誤な騎士甲冑と、装飾過多な貴族服やドレスを着けた人間の姿だった。言葉も通じず互いに混乱するがその中の一人から、
「マリア殿下は、『異郷の勇者様、どうか我が国をお救いください』とおっしゃっておられます」
まるで意味の分からない状況から少しずつこの世界を理解すると、地球人のアラタにとって義理も恩もないが、特別 やる事もないので力を貸すことに。アラタを疑いながらもドナウ王国の面々はそれぞれの思惑で動きながら歩調を合わせ、生き残りの為に走り続ける。

   『全ては勝利の為に』




という事で未来から中世ヨーロッパ風異世界への転移モノ。
全186話で完結済み(+外伝有り)の作品で、50話読了時点での感想となります。



主人公は未来人で、人類が人類外知的生命体とお互いの存続をかけ100年以上に及ぶ戦争を繰り広げる事で人体改造系の処理も当たり前に施される事になった軍人で、なおかつ未来テクノロジー満載の情報処理系特化の兵器と一緒に転移なので知識や情報収集能力面で結構チート入ってます。
ですが兵器に関しては制限はありますし、個人戦闘力的には素で主人公に伍する存在もごろごろいたりするのでその辺りが目立つのは序盤のみで以降は影も薄めです。

まぁこの辺りに関しては転移・転生ボーナスとかの棚ボタ的チートでイキるタイプの主人公じゃないですよ?程度に理解していただければと思います。


概略としては戦記モノで戦闘よりも戦略や諜報などの事前準備に力を入れている上に、登場人物もおっさんとか爺さん大目で結構硬派な作品です。
世界観や主人公の立ち位置などはまるで違いますが同じなろうなら淡海乃海などが雰囲気的には似てる気がするので、そちらが好きな方には結構お勧めできるかなという感じでしょうか。
あとは商業系なら佐藤大輔の皇国の守護者に転生系主人公ぶち込んで見ました、とか?


男ばっかで華がないとも言えるけど、国が滅ぶか否かの瀬戸際にある国でそれぞれの立場でそれぞれの足掻きを見せる男達の男臭いやり取りとか正直たまんないですし、ある程度余裕が出てくるとそれぞれの利益を求めて足を引っ張る事を考え出す輩なんかもいて、そういう人間臭さも戦記モノとしては良いですよね。


それに主人公が当初感情抑制入ってて、おまけに兵器のAIも機械っぽさが強いのが徐々にどちらも人間らしさが強くなっていく感じがまた良い。人工知能は癒しです。
また仲良くなった同年代の王国の主要人物とのやり取りとかそれぞれに身分あるくせに内々でのノリは学生なんかと変わらなくて、これがまた人間的な魅力を引き立てます。



そして硬派な戦記モノとはいえそれだけでもなく、最初期は主人公を癒してたヒロインがヤンデレ化するなどかなり草生える展開も。
しかもプロポーズで判明するヒロインヤンデレ化の直後に王女との結婚を無理やり王にぶち込まれてヒロイン側室化という修羅場スキー的にも胃が痛くなること請け合いの展開も。

一方で人工知能と幼女はきっちりと読者への癒し枠を継続してくれる辺り、主人公ご愁傷様感がw



タイトルが若干作品の雰囲気に合ってないのでこういう作品が好きな層にあまり知られていないような気がするので戦記モノとか好きな人にはお勧めしたい作品です。

ちなみに同作者が「神座シリーズ」と題してこの作品と同一世界観の作品をいくらか手がけているのでそういうのが好きな人にもお勧めできるかもです。



追記:本編読了。
家族のいない愉悦知識人(狂)な主人公が少しずつ家族を増やしていき、その家族に癒される姿が凄い良かったですね。
思いのほかヤンデレ進化系癒しヒロインも病みきらなかったですし(笑)

戦記モノとしても戦場を舞台にするより下準備に時間かけてて読み応えもありました。

素晴らしい作品なのに感想が2ページ分ないとか知られていないのがもったいなさ過ぎます。
ど、どうにかして広めたい!って感じがめっちゃありますが、このブログでは残念ながらその一助にはなれないのが歯がゆいですね。
いっそ、こういうのをどこかの編集さんが書籍化させてくれればそれをきっかけに知られると思うんだけど、書籍化の方針ってある程度ファンが買ってくれる事前提の売り上げを確保した(つもりの)保守的な傾向が強いからなぁ。


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