世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ)

好きなweb小説が書籍化するのって嬉しいですよね。

世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ) 1 (オーバーラップ文庫)
オーバーラップ
2019-02-22
黒留ハガネ

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まぁそれが書籍化作業の弊害でweb版の更新停止や、売り上げ不振で打ち切りからのエタを呼び込む可能性も無きにしも非ずなのが問題なんだけども。

とはいえ、やはり連載初期から楽しんでいた作品がこうして日の目を見るのはなかなかに感慨深い。
これがやがてアニメ化へと繋がったりすると、「あの作品はワシが育てたんじゃ(育ててない)」みたいな気分になること請け合いです。


などというのはまぁ冗談ですが書籍化で何がうれしいってやはり挿絵が付くことですよね。
今まで自分の脳内でだけイメージされていたものがイラスト化されるという、まぁイメージとのギャップがどういった感想を抱くことになるかと考えると諸刃の剣ではありますが。
それはアニメ化に際しての声やアクションなどにも言えることですし、それまでとは違ったファン層が生まれることでそこを意識した作風の変化とかもなくはないですし、とまぁこの話を続けてもお前はいったい書籍化アニメ化に本当に賛成なのか?喜んでいるのかという話になってくるわけですが。

最近好きだった作家が書籍化を求めてかちょっと作風変えた新作出して、しかもそれがウケて書籍化しちゃうというおめでたいようで個人的にはまるで嬉しくないお話もあって微妙にナーバスになっております。



閑話休題。

この作品はある日超能力に目覚めた高校生が人知れずその力を鍛えに鍛え続けてやがて地球を滅ぼせるレベルでの力まで手にしてしまうも、残念ながら彼の持つ「特別」な超能力ほど世界自身は「特別」ではなく、非日常的なイベントなど待てど暮らせど発生することもないままに社会人になってしまったある日、逆切れして「特別」が世界にないのなら「世界の闇」と「闇と戦う秘密結社」を自ら作ってマッチポンプ的にイベント起こしてやるぜ!という作品です。


やはり最大の魅力はそのマッチポンプ的なストーリー構成。
自分とそのパートナーに選ばれた女性の2人で脚本から演出、大道具に小道具の用意、当然監督もこなしながらあくまで主演ではなく助演役での「非日常」な世界の満喫という。
日常に飽いた男子高校生や、苦境にありながら努力し続ける女子中学生などを巻き込み、秘密結社の謎に満ちたボスと本拠地バーのマスター役や、結社の副官兼若者を導く先達役を、かつて夢見た「非日常」を、全力で楽しむという彼らの現在進行形の夢のような日々。

これに尽きます。

なお、何も知らずに巻き込まれた彼らは果たして幸せなのか、不義理なのでは、卑怯なのではないか、などといった胸糞さを感じかねないという懸念もあるとは思いますがそこはご心配なく。
巻き込むだけ巻き込んで終わりではなく、ちゃんとアフターフォローと大人としての教導、陰ながらの支援なども行い多少のキャラ変更(笑)を伴う人物もあれど、概ね良い方向に向かうので。


そしてもう一つ。
かつて夢見た魔法の城のお姫様。
それに憧れ、夢を見失わずに努力をし続けていた大人の女性・鏑木さん。
彼女のメンタリティとその努力で培った能力、そんな彼女の過ごす日常は既に超能力などない世界においてほぼ「非日常」だったという逸材。

そんな彼女を筆頭に仏教系少女や火の真理に目覚める氷系能力者、主人公に懐く9歳(♀)の全裸系治癒能力者などなど、この作品は非常にパンチの効いたキャラに溢れています。


あの予想外の角度から抉りこむようにぶち込んでくる、あるあるあ・・・ねーよ!的なキャラ設定の秀逸さはこの作品を語る上では外せない魅力ですね。



で、まぁざっくりとした紹介が終わったのでこの1巻の感想。

やはり一番は鏑木さんとの出会いですね。
鏑木さんのキャラには圧倒されること間違いなしですが、そんな彼女との秘密結社設立に向けた準備の日々の楽しそうな事、楽しそうな事。
この2人のパートナー感は作中でも追随を許さぬものがあります。

お互いにとっての無二の相手との邂逅とも言える、まさに運命の出会い。
それは偶然ではなく必然であったわけですが、だからこそ分かちがたく、そして固く結び付いた二人の絆は本当に見ていて「夢」があります。


個人的には主人公と出会うまでと出会ってからの鏑木さんのちょっとした日常話を鏑木さん視点で読んでみたいんです。
物語は基本的に主人公視点で進むので彼女の胸の内はわからないんですけど、彼女にとっても出会い以前と以後はまるで世界そのものが変わってしまう、そういう出会いであり、主人公が無二の存在である事は間違いなく、それは決して超能力だけに由来するものではないんですよね。
そんな彼女の胸の内を少しだけ覗き見たい、変遷を知りたいと願うのはまぁ至極当然の欲求でしょう。


・・・まぁ話が進むと高校生組の凸凹コンビ振りも上手いこと嵌っていてニヨニヨ出来るんですがそこはそれ。
1巻ではそこまでいきませんしね。



そしてこれは不満。
鏑木公爵の魔法少女コス。
なんで挿絵ないんじゃああああああああ!!!!
パチリと決めたマジカルウィンクに心臓撃ち抜かれて俺も心臓麻痺りたかったよorz

それともアレですか?マジカルウィンクは佐護さんにしか見せないっていうイチャイチャなんですか?


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