イジらないで、長瀞さん

ただ女の子に翻弄されるという受け身系。
イジらないで、長瀞さん(1) (マガジンポケットコミックス)
イジらないで、長瀞さん(1) (マガジンポケットコミックス)
kindle版1巻がタダだったので読んでみたり。

「からかい上手の高木さん」や「やんちゃギャルの安城さん」などと同系統の可愛い女の子にからかわれる系の作品。
どちらかというと後者寄りの作品だけれど最初の2話3話くらいのヒロインの「弄り」がこの手の作品を好きなオタクにとって結構キツイ「弄り」なのでそこらあたりで読むのを止めるか、とりあえず1巻だけ買って読み切るかで評価が大きく分かれそう。

そういう意味ではこの1巻無料というキャンペーン(?)は英断というか、良い販促になるんじゃないかと思ったり思わなかったり。
いや自分が1巻無料に乗じて全巻揃えたからとかそういうんじゃねーし。


この作品の主人公は本当に等身大のオタクというか、実に、真っ当に、キモイ。
そしてそこを的確に堂々と弄ってくる長瀞さんという構図。

自分たちがキモイ事など百も承知のオタクとしては別の世界で生きてるギャルなんだからこっち来んなという話なのに、いきなりずけずけと入ってきて、その自分たちのキモさを思いっきり的確に弄ってくるのだ。
そりゃーキツイ。
そして後輩相手だろうとロクに反論できないオタクの気質を見事に表現しちゃった主人公の反応がまたキモいんだが、そこをまた弄られるものだから、現実にそんなんされたらホントなんなのコイツ状態で、それでいて容姿は可愛いし、こっちから何をするでもなく、向こうが勝手に絡んでくるだけという状態の楽さ故に、なし崩しの関係性が構築されるわけで・・・・。

それでいて1巻も後半になってくると長瀞さんの弄りはマイルドになっていく上に閑話みたいな感じで「ちょっとやり過ぎた?」みたいな感じの長瀞さんの後悔も挟み込み長瀞さんが性格の悪いだけの女の子じゃないと描いてくる上に、その「やり過ぎ」の一部がご褒美じみたものになってきちゃうものだから1巻が終わるころには同系統作品として挙げた2作に比べると、リアリティなどと表現すると噴飯モノではあるのだけれど、主人公の造形がより現実に則している分その没入性というか感情移入度合いというかが他作品と比べると高く、長瀞さん中毒になる気持ちも分かる、実によく分かるというものです。


この作品の主人公は1巻の時点では何もしていない。
絡んでくる長瀞さんに反論なんて出来ないし、拒絶も出来ない、逃走だって出来ない。
ただ勝手にこっちを見つけて弄ってくる長瀞さんに翻弄されるだけである。

そんな絡んでくる長瀞さんの弄りという鞭に耐えると、たまのご褒美という飴が貰える。
その楽さと落差に見事に嵌られてしまうのだ。


そりゃーご褒美(ラッキースケベ)はたまにとはいえ、そもそも可愛い女の子に話しかけられるだけでもう充分ご褒美の域っすよ!ってなもんだし、繰り返しになるけれど主人公は本当に何もしないで良いというそのお手軽さは、主人公を自分に置き換えてみた時の実現性というか妄想の敷居の低さというか、実に草食系、絶食系のオタク向けの構成だと思う。



この「沼」は本当に入ることにこそ躊躇してしまうが一度は行ってしまえば実に心地よい。
そういう作品ですね。


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