城なし城主の英雄譚 彼女のファイアボールが当たらない!

第11回GA文庫大賞奨励賞受賞作。
城なし城主の英雄譚 彼女のファイアボールが当たらない! (GA文庫) - 阿樹 翔, 八葉
城なし城主の英雄譚 彼女のファイアボールが当たらない! (GA文庫) - 阿樹 翔, 八葉

前文明の遺跡でもあるモンスター跋扈する「古城」。
これを攻略し所有することは様々な資源を所有する事に繋がり、冒険者としてのステータスでもあり、クランを発足するための条件でもある。

この作品は古城攻略を目標として掲げる新人冒険者である主人公と彼と出会う仲間たちの物語である。



ま、自分が気に入る作品の9割に言える事ですがまず登場人物がとても魅力的です。
それは主人公や仲間周りだけでなく、敵役にも当てはまり、またそもそもこの作品の登場人物たちは「敵か味方か」というとても簡素な色分けではなく、それぞれのキャラがそれぞれに目的と意志を持っているからこそ、時に味方となり、敵に敵となる、そういう部分があります。


例えば序盤に高慢な態度でヘイトを集めるであろう獣人王は高潔で獰猛な帝王のようであり敗北に涙する部下に対し「敗北が恥なのではなく、敗北を認められぬことこそが恥なのだ」と喝破し再起を促して見せるし、登場時ポヤポヤで共闘すれば頼りになった女傭兵はその実戦闘狂で強き者との死闘を求めて陣営を渡り歩くし、親切そうな商人はやはり商人だけあって裏で自らの利益確保のために奔走するが、しかして目先の利益のために他者を不幸にするようなことはせずバランスは取っている。

彼ら彼女ら一人一人にそれぞれの生きる意味があるからこそ彼らはこの物語の中で活きている。


それは当然主人公やヒロインにも言えることで城主を夢見る主人公には理想の城主像というのがあってその為に前を向いて上を目指して懸命に生きている主人公は魅力的だし、そんな主人公と出会い引きづられながら巻き込まれていくヒロインも確固たる目的があるわけではないけれど、故郷を飛び出した先で出会った主人公と彼を通じて知り合った人々との関係や、認められる事成長する事何かを成せる事、そういった一つ一つに価値を見出し、その発端たる主人公との関係に掛け替えのないものを感じ始める姿はとても自然なものを感じますし、もう一人のヒロインは・・・・うん、ちょっとチョロインでしたね(目を逸らしつつ)



減点要素を上げるなら古城という存在がこの世界において微妙にうまく根付いていないというか、古城所有がそれだけのステータスでありながら町の近くに小型とはいえ手付かずの古城・・・?という疑問点が。
その辺りもうちょっと設定できると良かったかな。
そもそも「遺跡」でありながら攻略に名実ともに利のある古城という存在が手付かずでそんなにも残っているというのが世界観設定として疑問になってしまうのがちょっとね。

あとハーレム発言はなんかダンまちの影響受けちゃってね?的な感じがなくはない(笑)
ちょっと浮いてるのもなんかそんな感じあるよね。


2巻が今月発売という事で楽しみだねぇ。


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