神様のお仕事

ある日突然神になった高校生の人助けの物語。

神様のお仕事 (講談社ラノベ文庫)
講談社
2013-03-01


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「俺、神になったんだ」
「・・・・へぇ、なるほどなぁ」


人のささやかな願いを叶えてまわる1章2章は神になった事で人助けに目ざめた主人公のスタンスに押し付けがましさや性急さがなく、のんびりとして優しい雰囲気が漂い、それが逆に「神の愛」ではないが包容力として感じられ作品の雰囲気に良い影響を与えています。

この1章2章は「人助け」という主体においては積極的な行動でありつつも、その短期的な目標である「迷い猫探し」「や「恋愛成就」という点ではあくまで与えられ、望まれた受動的なものである。

一方で3章の主人公の行動は「友になった厄神を助けたい」という自らの意思が先に立っているという意味で積極的で主体的な行動である。。
この自らの意思を「ワガママ」と称し、他者に反対されながらもそれを完遂する。

この3章にはそれまでののんびりと優しい雰囲気はなく、しかし多数のリスク回避の為に少数の犠牲も是とする「大人の都合」を少数の犠牲すら厭う「子供の論理」が打ち破る爽快感がある。

この1章2章と3章の違いとは「神」としての在り方と「人」としての在り方の違いでもあり、同時に「神」であり「人」でもある主人公だからこその物語でもあり、たどり着いた結末は神であり人でもあるからこそのものだ。
そういう意味でこの作品は主人公の設定を十全に活かした物語だと言える。

そして、「神」としての主人公が紡ぐ物語と「人」としての主人公が紡ぐ物語、そのどちらも丁寧に描かれていて「どちらがいい」ではなく「どちらもいい」と言えるだけの出来に仕上がっており、「大賞」さもありなんという納得の作品であります。


また昨今の意味不明な倫理観で何故かヒロインに手を出さないヘタレ主人公とは一線を画す「地雷臭がするから手を出すわけにはいかない」というはっきりとした理由を持つ主人公。
でも実際にはもう既に主人公の状況は俎板の鯉状態だったというエピローグ。
合掌です。

「ヤンデレヒロインは主人公がしっかりしていないと面白くない」というのが心情の自分としては危ういところのある千鳥を真人の包容力が包むような雰囲気のあるこの二人の姿はなんかやたら好きですねぇ。

「人」としてではなく「神」としてではなく、「人であり神でもある」存在の主人公が今後も紡いでいく物語に期待は高まるばかりです。

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